血糖値を下げるには

血糖値が低くなると、人間は動くエネルギーを失います。何らかの原因で血糖値が極端に下がってしまうと、それは車でいうガス欠の状態を招き、最悪の場合はそのまま意識を失って生命の危険に瀕することさえあります。

逆に血糖値が高いまま放置すると糖尿病になってしまいます。糖尿病は殆ど自覚症状が無いため、知らないうちに進行してしまっていることが多いのです。糖尿病が進行すると、生命に危険を及ぼす様々な合併症を引き起こしてしまうので、早めに血糖値を下げる必要があります。

血糖値を下げる方法にも色々あるのですが、まず、その原因を知ることが重要です。血液中の糖分は、すい臓から分泌されるインスリンによって分解されます。

そのインスリンが分泌できていなかったり、分泌量が足りない場合には、インスリンを注射などで補う必要があるでしょう。しかし、体内でのインスリン分泌が正常の場合には、血糖値の異常な上昇の原因は食べ過ぎや糖分の取りすぎなどの生活習慣ということになります。

ですから、血糖値を下げるためには、食生活の改善と適度な運動を行い、生活習慣を改善する必要があります。一般的には生活習慣を改善できれば血糖値のコントロールができます。その生活改善の基本が、食事内容の見直しをして暴飲暴食を避けるということです。

糖分やカロリーの過剰摂取を控えることを常に心がけるのはもちろん、飲酒、タバコ、運動不足、ストレスなども様々な面で影響を及ぼしますから、生活を全般的に見直す必要があります。


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インスリン分泌量が減る理由

糖尿病の人は、なぜインスリンの分泌量が健康な人に比べて減ってしまうのでしょうか。

食べ過ぎや運動不足で血液中にブドウ糖が多くなると、すい臓からも自動的にインスリンが多く分泌されます。このような状態が慢性的におく続くと、インスリンを分泌する唯一の臓器である、すい臓のベータ細胞が働き過ぎで徐々に疲労してくるのです。実は、ンスリンを分泌するのは、すい臓の中でもランゲルハンス島べータ細胞というほんのわずかな部分だけです。

このわずかな部分が過労により疲弊すると、ガラス状に固まってインスリン分泌能力を失います。そしてそれは、二度と元に戻りません。ですから、糖尿病は発症するとたら治らない「不治の病」といわれるのです。そして、このべータ細胞の疲労の状態が、人によって違っています。それが、糖尿病の進行状態です。

糖尿病予備軍といわれる人は、ランゲルハンス細胞はそれほど疲労していません。ですので予備軍の方は、残ったべータ細胞をいたわって生活することが大事なのです。それには、原因の根幹でもある生活習慣の見直しが必要不可欠です。

             

血糖値が高いとかかる病気は

血糖値が高い高血糖という症状は、検査をすれば数値として血糖値が高いという症状が認められますが、具体的な自覚症状が殆どありません。ですから、気づかぬうちに悪化していることも多々あります。高血糖では自覚症状が殆どありませんが、放置していると、やがて糖尿病へと繋がります。

糖尿病に発展すると、糖尿病が併発しやすい合併症を発症する危険が増大します。糖尿病も、のどの渇きや頻繁な空腹感などを感じる程度で、軽症の間は殆ど自覚症状がありません。しかし、糖尿病から併発する合併症は大変危険な病気ばかりです。

高血糖の人は血圧が高くなりがちで、高脂血症や高血圧症を併発しやすくなります。高血圧は心筋梗塞や脳卒中など、発症したら、即、命に重大な危険を及ぼす病なのは誰もが知るところですね。高血糖の人は動脈硬化が原因で起こる脳梗塞や心筋梗塞になる危険度が、一般の人の2~4倍にも増大するといわれています。

また、糖尿病は糖尿病性網膜症という病気を発症しやすく、糖尿病性網膜症は最悪の場合、失明してしまいます。

糖尿病が発症して4~5年で、半数近くの人が糖尿病性網膜症を発症するともいわれている怖い病です。糖尿病性神経障害は、特に手足の末梢神経がおかされることが多く、手足の末端から壊疽していくケースもあり、最悪は切断せざるを得なくなります。

他にも、糖尿病性腎症は、その名の通り、腎臓に障害が出る病です。腎臓に障害が出ると、体内の老廃物を排出する機能が衰えますから、様々な肉体的不具合が起きてきます。



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